マイオブレースとは
マイオブレースは、口呼吸などの悪習慣を改善するために設計された子ども用のマウスピース型矯正装置です。
アクティビティという口腔筋機能を鍛えるトレーニングと併用し、鼻呼吸、正しい舌の位置、適切な飲み込み方を習慣づけることで、顎の正常な発達を促し、永久歯が正しく収まる十分なスペースを確保することを目指しています。
装置は、柔らかい素材でできており、通常、日中に1時間と就寝時に装着します。従来のワイヤー矯正とは異なり、装着時間が短く、日常生活への負担が少ないのが特徴です。
マイオブレースの効果を最大限に引き出すためには、決められた装着時間を守ることが重要ですが、それ以上に大切なのは、装着中のトレーニングや装着していない時でも、正しい舌の位置、鼻呼吸、適切な飲み込みを意識することです。マイオブレースはこれらの良い習慣をサポートします。
宝塚市中山寺のはあもす・こども矯正歯科クリニックでは、全国でも少ないマイオブレース認定クリニックです。お子さまの歯並びや、噛み合わせ、口呼吸などできになることがあればお気軽にご相談ください。
マイオブレースで得られる効果
マイオブレース治療によってさまざまな効果が期待できます。
歯ならびの改善
マイオブレースは顎を成長を正常に促すため、永久歯が並ぶスペースを確保することができます。
受け口や出っ歯の改善
マイオブレースは受け口や出っ歯といった顎の位置関係の問題を改善します。正しい顎の成長を促すため、口元のバランスが整います。
咬み合わせの改善
口腔筋機能を改善し、顎の発育を促すことで綺麗な歯並びだけでなく、正常な噛み合わせを手に入れることができます。正しい噛み合わせを作ることで食べ物をしっかり噛む習慣が身につき、消化を助けるだけでなく、脳への刺激となり集中力もアップします。
口呼吸を鼻呼吸へ改善
マイオブレースは、口呼吸から鼻呼吸への改善を促し、口腔および顔面の健康をサポートします。正しい鼻呼吸の習慣は風邪を引きにくくし、酸素の取り込み効率を向上させるため、集中力や体力の向上にもつながります。
お口ポカンの改善
口が開いたままになってしまう口ポカンの状態を改善します。口を閉じている正しい口腔状態を促進します。
発音や飲み込み方の改善
正しい口腔筋機能を身につけることで、発音や飲み込みの問題も改善されます。
マイオブレースの対象年齢
マイオブレースは5歳から15歳までの年齢に適応していますが、最も効果的な改善は小学1年生から3年生の間に見られます。 一般的に、アゴの成長発達が終わる時期は個人差がありますが、7歳から9歳ごろまでが成長のピークと考えられています。したがって、6~7歳頃からトレーニングを開始すると、アゴの成長を促進しやすくなります。通常、トレーニングの目安は約2〜3年間で、正しい呼吸方法を維持できればその後はトレーニングを続ける必要はありません。
マイオブレースで行うこと
間違ったクセや習慣を改善する「マウスピース」
ワイヤー矯正が24時間つけっぱなしなのに対し、マイオブレースは、日中の1時間と、寝ている間やトレーニング時に装着します。マイオブレースは、間違ったクセや習慣を改善するために特別にデザインされています。 使用するマイオブレースは、お子さまの年齢やアゴの発育、お口の状態に合わせて選択されます。歯科医師の指導のもとで、適切な種類とサイズを選び使用していきます。
歯が正しい位置に自然に生えるように導く「アクティビティ(トレーニング)」
マイオブレースでは、まず最初に間違ったクセをアクティビティ(トレーニング)で改善することから始めます。それに加えて、マウスピースを使って永久歯が自然に正しい位置に生えてくるように導き、歯並びを整えていきます。
アクティビティは、正しい呼吸からスタートし、次に舌の動きや嚥下(飲み込み)を練習し、最後にくちびるの筋力をトレーニングします。
1ヶ月に一度の来院で成果をチェックし、次のアクティビティに進むかどうかを判断します。当院は、専門のアクティビティルームを完備しており、楽しみながらより効果的なアクティビティを行うことができます。
マイオブレースのメリット
見た目が気にならない
マイオブレースは、従来のワイヤー矯正とは異なり、専用のマウスピースを就寝中と日中1時間装着します。矯正器具を使用しないため、外見上でも目立ちません。
後戻りが少ない
マイオブレースは、お口の筋肉をトレーニングして根本的な歯並びの改善を促すため、後戻りの可能性が低いとされています。これは、マウスピースの装着中に口を閉じる習慣を身につけ、自然な口呼吸が促進されることが理由の1つです。
歯を抜かなくても良い
従来の矯正治療では、歯を抜いてスペースを確保することがありますが、マイオブレースでは歯を抜く必要がありません。
痛みがなく負担も少ない
通常のワイヤー矯正のような装置を使用しないため、装着時の痛みや不快感が少なく、マウスピースを外して歯磨きを行えるため、口内の清潔を保つことができ、むし歯のリスクも軽減します。
身体の正しい発育を促す
マイオブレースは、口の筋肉をトレーニングすることで、正しい呼吸、咀嚼、嚥下の習慣を身につけることができます。これにより、不正咬合や口呼吸などの問題を改善し、歯並びだけでなく全身の健康にも大きな効果が期待できます。
ワイヤー矯正との違い
比較項目 |
一般的な小児矯正
|
マイオブレース |
---|---|---|
装置 | ワイヤーや床矯正装置 | マウスピース型 |
装着時間 | 固定式もしくは、長時間の装着が必要となる | 日中の1時間と就寝時のみ装着 |
痛み | 力技で歯を動かすため痛みあり | 痛みなし |
抜歯の必要性 | 抜歯することもある | 抜歯しない |
むし歯のリスク | ワイヤーを使った矯正治療では、取り外しができないため、むし歯のリスクが高まります。 | 取り外し可能な治療装置を使用することで、お口のケアがしっかりできるため、治療によるむし歯のリスクは低いです。 |
治療後の保定装置 | 必要 | 不要 |
後戻り | 歯並びが戻る確率が高い | 後戻りしない |
トレーニングの有無 | 行わない | 自宅でのトレーニングが必要 |
副次的効果 | 特になし | 正しい姿勢の獲得、アレルギー改善、アトピー改善、喘息の改善、免疫機能の向上、飲み込み機能の向上、いびきの改善 |
成長に合わせた4つの治療ステージ
マイオブレース治療では、まずお子さんの口腔習慣を改善します。それから、歯並びの問題の原因にアプローチするために3つ以上の装置を組み合わせて使います。
ステージ1-習癖の改善
マイオブレース治療の第1ステージは、習癖の改善です。お子さまには、鼻呼吸、安静時の正しい舌の位置、正しい飲み込み方、唇を閉じる習慣などを教えます。これらの口腔習慣を改善することで、歯並びや顎の発育不全の原因となる問題を解決し、子どもの顎が十分に成長する可能性が高まります。その結果、歯がまっすぐに生えてくることが期待され、通常はブラケット治療の必要がなくなります。
ステージ2-歯列の発育
顎の正常な成長と十分なスペース確保には、習癖の改善だけでなく歯列の発育も欠かせません。顎の未発達が見られる場合、治療スピードを加速させるためにバイオブロック(BB1)やベンディングワイヤーシステム(BWS)、マイオレイなどの装置をマイオブレースと組み合わせて使用することがあります。
ステージ3-歯の配列
顎が正しく成長し、十分なスペース確保ができた時点で、最終的なマイオブレースを使って歯並びを自然な位置に導きます。理想的な結果を得るためには、指示に従って装着することが重要です。基本的には日中と夜間の睡眠時に装着し毎日継続することが必要です。 治療の進行状況やお子さまの状態によって、最終的にアライナー等を使った治療が必要となる場合もあります。
ステージ4-保定
最終ステージである保定は、正しい口腔習慣を身につけることを確実にすることが目的で、永久的な保定装置や長期的なワイヤーの使用を避けることができます。
一般的なブラケット治療では、ブラケットを外した後に歯の逆戻りを防ぐために保定装置が必要です。しかし、マイオブレース治療では、治療の指示に従って正しい口腔習慣を身につけることで、より安定した歯並びを保ち、健康全体が改善されます。
マイオブレースの使い方
マイオブレースを効果的に使用するためには、正しい使い方と併せてトレーニングを行うことが重要です。
日中
1日のうちで1時間、マイオブレースを装着します。この際には、口を閉じた状態を保つことが大切です。ただし、おしゃべりをする際や食事をする際には装置を外しても構いません。装置は簡単に外せるため、日常生活に支障をきたすことはありません。
就寝時
就寝中にもマイオブレースを装着します。
夜間に装着することで、口腔内の筋肉や舌の位置を維持し、睡眠中に不正な口呼吸を防止します。
トレーニングを併用することで治療効果を高めることができます。
舌や口元のトレーニングでは、特定の筋肉を鍛え、口腔内の状態を改善します。発音のトレーニングでは、正確な発音を練習することで口の動きを調整し、口腔機能の向上に役立ちます。さらに、水を飲み込むトレーニングでは、適切な飲み込み方を習得することで、口腔内の筋肉のバランスを整えます。